東京電力は8日、低濃度汚染水を処理した上で、来年3月上旬にも海洋に放出することを検討していると明らかにした。全国漁業協同組合連合会(全漁連)などの反発で、当面は見送るが、たまり続ける水の処分が新たな課題となっている。
東電は4月以降、海洋に汚染水を幾度となく放出させており、いわき市漁協の矢吹正一組合長は「漁業者にとって海は生活が懸かる重要な場所。汚染水の放出は死活問題だ」と憤る。
市漁協は漁業再開に向け、中断した漁港周辺のがれき撤去を12日から再開する。その矢先の事態に、関係者からは「放出でさらに漁再開の見通しが立たなくなれば、若手後継者らを中心に漁業離れが心配だ」との声も上がっている。
(カテゴリー:震災から9カ月)