県は11月、局地的に放射線量が高い地点がある福島市大波地区で住宅や農地、森林などを一体的に除染する「面的除染」のモデル事業をスタートさせた。来年1月中旬まで作業に取り組み、除染を進める際の手引書を作成し、市町村の線量低減活動の参考にしてもらう。
対象地域は大波小の北側約10ヘクタール。県としては民家や果樹園、田んぼ、集会所、山林などの生活圏全体での初めてのモデル事業となる。
11月24日には県の委託業者が除染前の放射線量のモニタリング調査を実施した。線量は宅地が2メートル四方ごとに約3千地点、宅地以外は10メートル四方ごとに約千地点をそれぞれ調べた。結果は草地や地面、アスファルトなどで毎時1・0~1・8マイクロシーベルトだった。
今月7日には民間業者の作業員45人が集会所の屋根を高圧洗浄機で洗い流したほか、未耕作地の除草、表土の剥ぎ取りなどを行った。山林の枝打ち、腐葉土の除去、農地でのゼオライト散布や上層と下層の土の入れ替えなども行う予定。除染の結果は2月をめどに公表し、除染の対象ごとにかかる標準的な経費を算出し、市町村による入札などの参考にしてもらう。
(カテゴリー:震災から9カ月)