東日本大震災アーカイブ

県内各地に設置進む ふるさと絆情報ステーション

被災地の情報などがそろう「ふるさと絆情報ステーション」=8日、郡山市・ヨークベニマル富久山店

 県は東日本大震災、東京電力福島第一原発事故に伴う民間借り上げ住宅の入居者ら向けに被災自治体の情報を提供するため、スーパーなどの大型小売店舗の一角に「ふるさと絆情報ステーション」の開設を進めている。今月中に福島、郡山、いわき、会津若松の四市に計11カ所を設ける計画だ。
 仮設住宅入居者に比べて借り上げ住宅入居者は被災自治体の情報に接する機会が少ない上、居住場所が広範囲のため被災自治体や他の住民との絆が失われる懸念がある。
 ステーションで行政や各種支援団体、地域住民らによる情報提供、交流スペースの設置などを進めている。県が委託した「うつくしまNPOネットワーク」が運営している。

■古里の状況に涙.../交流の輪広がる
 11月18日に郡山市のヨークベニマル富久山店に県内で初めて開設された「ふるさと絆情報ステーション」。午前10時15分から午後8時まで、四人のスタッフが交代で常駐している。
 1日の平均利用者は約70人で、少ない日でも約50人が訪れる。利用者は被災地の情報が張り出されている掲示板を確認したり、富久山町を担当する郡山北署員が行方不明者の捜索や警備のため、警戒区域に入った際に撮影した富岡町や浪江町などの写真パネルに見入っている。古里の状況を見て涙を流す人もいるという。
 友人を連れて再訪したり、口コミで訪れたりと人の輪も広がってきた。生活上の不満や困り事の相談も多い。郡山市で暮らす被災者に役立つ情報を提供し、慣れない生活への不安を解消する役割も担っている。スタッフの大橋万里子さん(57)は「ここを訪れた人が何かを始めるきっかけになれば」と話している。

◆ふるさと絆情報ステーション設置店◆
▼福島市
 ヨークベニマル野田店(開設済み)
 コープマートやのめ(12月20日開設予定)
 ダイユーエイト福島黒岩店(開設済み)
▼郡山市
 ヨークベニマル安積町店(開設済み)
 ヨークベニマル富久山店(開設済み)
 イオン郡山フェスタ店(12月22日開設予定)
▼いわき市
 ヨークベニマル大原店(12月27日開設予定)
 ヨークベニマル谷川瀬店(開設済み)
 イオンいわき店(12月16日開設予定)
▼会津若松市
 リオン・ドール神明通り店(開設済み)
 COOP BESTAにいでら(12月13日開設予定)


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