緊急時避難準備区域が解除された南相馬市では、帰還する住民が増え始めた。1日現在、市内に居住する住民は4万2884人で、解除前の9月26日の4万762人に比べ、約2100人増えた。しかし、約5600人が市外に転出し、約2万3千人が市内外で避難生活を送っており、住民の帰還に向けた課題は多い。
11月中旬、旧緊急時避難準備区域で143戸の仮設住宅が建設され、希望者の入居が始まった。だが、市が復旧計画で想定している戸数より約2500戸不足しており、建設予定地の確保が急務となっている。
原町区の市立総合病院には、栃木県医師会から医師の派遣などが始まったが、旧区域内で医師や看護師ら医療スタッフの不足は依然、深刻だ。若い世代を中心に避難しているのが現状で、各企業では働き手の確保に頭を悩ませている。
(カテゴリー:震災から9カ月)