■元浦和監督 エンゲルスさん橋渡し
サッカーJリーグ浦和の監督などを務めたゲルト・エンゲルスさんが橋渡しとなり、いわき市など東北の東日本大震災被災地の小学生10人が14日から20日までドイツに遠征する。現地のスポーツクラブなどが集めた義援金が遠征費に充てられる。ドイツ語で「希望」を意味するホフヌングのチーム名で大会に出場する。
10日、仙台市で顔合わせを兼ねた合同練習を行った。被災地同士さらに海を越えた日独友情が芽生えそうだ。
参加するのは、いわき市の古河電池FCジュニアのGK青木太助君(長倉6年)とFW青木龍斗君(草野6年)、湯本キッカーズのMF遠藤峻君(泉北6年)、アビラーションのDF佐藤峻栄君(小名浜西6年)の本県4人と岩手、宮城両県から各3人の計10人。 エンゲルスさんが運営するスポーツコンサルタント会社の日本事務局を務める東日本国際大サッカー部監督の大田原邦彦さん(46)=いわき市常磐下湯長谷町=が同行する。
エンゲルスさんは8月上旬、岩手県宮古市を訪れ、津波で壊滅的な被害を受けた街並みに衝撃を受けた。救いは元気にサッカーボールを追う子どもの姿-。「子どもの笑顔と夢を取り戻す手助けをしたい」と帰国後、被災地の現状を訴えた。市民をはじめ航空会社やスポーツクラブなど多くの賛同があり遠征費用を捻出したという。
東北ホフヌングは8人制のU-12(12歳以下)の室内大会に臨む。青木太助君は「無失点で全勝したい」、青木龍斗君は「ゴールを決めて優勝する」、遠藤君は「点数を挙げたい」、佐藤君は「チームが勝てるよう頑張る」と渡欧を心待ちにしている。大田原さんは「子どもたちの伸び伸びとしたプレーや笑顔は復興の原動力になる。感謝の気持ちを忘れずに世界の同世代のライバルと戦ってほしい」とエールを送る。
(カテゴリー:連載・今を生きる)