東京電力福島第一原発事故で全村避難している葛尾村の成人式が2日、役場機能を置く三春町のホテル八文字屋で行われた。新成人24人が逆境に負けず、古里の復興に力を尽くすことを誓った。
県内のトップを切っての式で、男女23人が晴れ着やスーツ姿で出席した。松本允秀村長が一人一人に成人証書を手渡し「『古里は葛尾』という絆を胸に生きていってほしい」と式辞を述べた。杉本宜信村議会議長らが祝辞を述べた。
東京で学生生活を送る日本大2年の松本翔吾さん(20)が「逆風に負けず、自分たちにできることを模索し、新たな未来を築くためにどんな形であろうと村に恩返しする」と謝辞を述べた。会場では幼少期からの歩みを収めた映像が流れ、新成人は古里の思い出を語り合いながら記念撮影に臨んだ。
三春町の仮設住宅に入居している家族と離れ、会津若松市の会津若松看護専門学院に通う紺野舞子さん(20)は「村で式ができずに残念だけど、みんなで集まれて良かった。震災当時は何もできなかったので、患者から頼られる看護師になる」と語った。
県内では広野町が4日、中島村が7日、39市町村が「成人の日」前日の8日に成人式を実施する。
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