東京電力福島第一原発事故で生じた放射性物質の除染の本格化を前に環境省は4日、福島市栄町のJR福島駅近くの福島キャピタルフロントビルに除染の推進、環境再生の拠点となる「福島環境再生事務所」を開設した。
除染や汚染廃棄物の処理の枠組みを定める放射性物質汚染対処特別措置法が1日に全面施行されたことを受け同省が本県の支援を強化するために設置した。同事務所は県内の汚染状況の把握、自治体の除染計画策定や除染実施の助言などの業務に当たる。避難区域の放射線量低減に向けた工程管理やモデル事業の効果の検証にも取り組む。これまでの同省の福島除染推進チームの職員約30人に新規採用者ら約30人を加え年度内は約60人体制で業務を進める。
今月から予定していた避難区域の本格除染が3月末ごろにずれ込むなど日程が遅れており、作業のスピードアップが急務となる。同事務所の所長代理を務める森谷賢チーム長は訓示で「国の対応は遅いと言われていることを肝に銘じてほしい」と述べた。
環境省は平成24年度から「福島環境再生事務所」の支所を県内4カ所に設置する方向で調整している。森谷チーム長が記者団の取材に対し、説明した。
同省は地域の状況に合った除染を進めるため、浜通りの北部に1カ所、南部に1カ所、中通りに2カ所の支所を設けることを検討している。4月から現在より150人多い210人体制で県内の環境回復に取り組む。
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