野田佳彦首相は8日、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の復旧・復興の状況を確認するため来県し、福島市で開かれた「原子力災害からの福島復興再生協議会」で、県内23市町村を対象にした原発事故に伴う自主避難者らへの賠償金支払いを3月末までに開始する方針を示した。佐藤雄平知事と会談し、放射性物質による汚染廃棄物を受け入れる中間貯蔵施設の双葉郡内への設置を正式に要請。県が求めている18歳以下の県民の医療費無料化について検討を約束した。
自主避難者らへの賠償金支払いで政府は、3月末までに支払いを開始できるよう、東京電力に対して人員強化や専門チームの創設など請求受け付けの態勢を整えるよう求める。東電が支払い対象者の所在地を速やかに把握し請求書類を送付できるよう、市町村に避難先の情報提供と協力を呼び掛ける。
さらに、自主避難で支払った交通費と生活費の実費請求について個別に相談を受ける窓口を設けることも東電に要請する。実際に支払うかどうかは、案件ごとに精査してもらう。
福島復興再生協議会で佐藤雄平知事は、「全県の住民への適切な賠償を進めてほしい」と自主避難の賠償範囲の拡大を要望したのに対し、野田佳彦首相は「非常に重要な命題と受け止めている」と述べた。
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