東日本大震災アーカイブ

東京進出 自信の味 国際ジェラート審査で入賞

福島で培った味を品川で売り込む片平さん(左)と佐藤さん

■伊達市霊山町で人気アイス店経営 片平晋作さん(34)
 東京の品川プリンスホテルエプソン品川アクアスタジアムで営業するアイスクリーム店「セレーネイタリアンジェラート」。伊達市霊山町で人気のアイスクリーム店を営む片平晋作さん(34)=相馬市玉野=が1月14日にオープンさせ、上々の滑り出しを見せている。イタリアで開かれた国際ジェラートコンテストで入賞したことで味に自信を深めており、新たな舞台で前向きに歩んでいる。

■風評被害にくじけず
 片平さんは玉野地区の牧場で、濃厚なミルクを生み出すジャージー種の乳牛約40頭を育てており、原乳を使い115号国道沿いでアイスクリーム店「まきばのジャージー」を経営していた。しかし、原発事故で原乳が一時利用できなくなったため約1カ月休業。店を再開しても遠のいた客足は思うように戻らなかった。「『すぐに(騒動が)収まる』という思いと『一生続くかもしれない』という思いがあった」。牛を牛舎から出さないなど自衛策を徹底したが不安は尽きなかった。
 このような中、被災地の飲食店などを支援するざくろ坂プロジェクト(世話人・ノンフィクション作家吉永みち子さん)の支援第一弾に選ばれ、8月5日から同14日まで品川のホテルで営業し好評を博した。「うちの味は東京でも通用する」。手応えを感じ、姉妹店の開店準備に取りかかった。自分で生産した原乳で勝負したい気持ちもあったが、風評被害を防ぐため品川の店では山梨県や長野県などのジャージー種の原乳を使うことを決め、無事開店した。
 開店直後に腕試しで出場したイタリアのコンテストでは、コーヒーがテーマの課題部門で日本人でただ1人入賞した。カウンターに飾ったトロフィーは、金色の輝きを放っている。
 「品川に店を出してほっとした思いもあるが、放射能の問題がどう影響するか分からず不安も残る。ここで本店の減収分を少しでも補うしかない」。福島から連れてきたスタッフ佐藤敦美さん(26)と共に、今日も客を穏やかな笑顔で迎えている。
 品川店は年中無休。問い合わせは電話03(5420)0575へ。

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