相馬双葉漁協の試験操業は14日、相馬沖で始まり、操業計画では午前1時ごろに相馬市の松川浦(相馬原釜)漁港を出港、同日午後4~5時ごろに帰港して水揚げする。
本県沿岸では東京電力福島第一原発事故の影響で全面出漁自粛が続いており、流通を含めた試験操業として県内の漁再開の試金石となる。昨夏以降の放射性物質サンプル調査結果で「不検出」が続いているヤナギダコ、ミズダコ、ツブ貝のシライトマキバイの3種類を水揚げする。
試験操業は20、27の両日と合わせて3回実施し、同漁協の底引き網漁船が各回6隻ずつ出漁する。宮城との県境付近から相馬市近辺までの約50キロ以上沖合に出て、水深150メートルより深い海域で捕獲する。
初回は検査のための「サンプル漁獲操業」として流通させない。同漁協が生鮮品、加工品の2種類を検査し、検査結果を18日の県漁協組合長会で検証して出荷の是非を判断する。その上で、2回目以降に県内外に流通させる方針。
■「期待と不安」佐藤会長
同漁協理事で試験操業検討委員会長の佐藤弘行さん(56)は底引き網漁船「宝精丸」での出漁前、「期待と不安が入り交じった気持ち。一朝一夕には元通りにはならないかもしれないが、それでも一歩ずつ着実に進んでいきたい」と気持ちを高ぶらせた。
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