大手化学メーカーの昭和電工(本社・東京)が、役員の海外出張の土産品に会津漆器を採用することになった。会津若松市と会津漆器協同組合が首都圏の企業を対象に行っている「プレゼント作戦」が実を結び始めている。
震災後、会津17市町村などが企業を訪れて会津産品の販売などを行う産直市(企業マルシェ)を展開。今年3月までにトヨタ自動車、資生堂など28社を回った。今年度は訪問先企業の応接用にと、会津漆器のコーヒーカップセットを贈っている。販売すれば1セット3万円という高級品で、1企業に10セット、今年度中に12社に届ける予定だ。
昭和電工には4月に届けたところ、早速5月に採用の申し出があった。13日、同社の天野賢執行役員総務室長らが会津若松市内の組合事務所を訪れ、ワイングラスや小物入れ、コースター、箸など候補の品を検討した。天野室長は「コンパクトで軽く、土産品に最適。アジアでも欧米でも喜ばれるだろう」と話した。今後、詳細を話し合う。
プレゼント作戦には会津漆器の技術を車の内装や化粧品の容器などに活用してもらいたい、との願いも込められている。応対した同組合の小沼一夫理事長は「興味を持ってもらい光栄だ。会津漆器のPRにもなれば」と期待を寄せた。漆を介して同社と会津が手を結び、商品開発をしたいとの話も飛び出し「可能性が広がる」と喜んでいる。
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