東日本大震災アーカイブ

今を生きる 2級証書胸に福祉の誓い 避難生活下で研修「将来は介護職に」

感謝の言葉を述べる佐藤部長(右)

■浪江高ホームヘルパー部 仮設校舎で交付式
 浪江高ホームヘルパー部の生徒に2日、研修修了証明書が交付され、1~3年生の部員26人がホームヘルパー2級の修了証明書を手にした。交付式が行われたのは本宮市の仮設校舎だ。避難生活を続けながら福祉の道を志す生徒たち。「将来、高齢者が元気に生活するための手助けをしたい」と、それぞれが心に固く誓っている。
 ホームヘルパー部は東日本大震災の復興に役立つ人材育成のため、今年5月に発足した。浪江高津島校の生徒も参加した。
 生徒は地元を離れ、避難生活を送りながら、放課後や夏休みに介護や福祉について学んできた。社会福祉法人すこやか福祉会の講師の指導を受けた。郡山市や二本松市の特別養護老人ホームなども訪れ、入所者と触れ合って実習体験を積んだ。介護について理解を深めてきた。
 入所者からは「若いのに一生懸命に頑張ってくれる」と好評だったという。
 交付式で高梨洋史校長は、「みんなよく頑張った。研修を通じて大きく成長した」とたたえた。すこやか福祉会の遠藤勝弘常務理事から代表の渡辺美香さん(浪江高津島校3年)に修了証明書が手渡された。内海好一県福祉機器協会長らが祝辞を述べた。
 部長の佐藤郁美さん(浪江高3年)は「将来は介護の職に就きたい。福祉施設での実習で人のぬくもりを感じた」と感謝の言葉を述べた。その上で、「まだ一歩を踏み出したばかり。これからも努力していきたい」と力強く決意を語った。

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