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放射線 放射性物質 Q&A 治療で使用仕組みや人体への影響は

 医療の中では検査以外にも治療面で放射線が使われていると聞きます。東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくとは何が違うのでしょうか。治療で使う放射線の人体への影響や、その仕組みを教えてください。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん

■がん細胞に高線量を照射局所的で全身に影響なし
 放射線は診断だけでなく、がんの治療にも用いられることがあり、これを放射線治療といいます。放射線治療は、いろいろな部位のがんの治療に活用されています。手術や、抗がん剤を用いる化学療法と並んで、がんに対する主要な治療法の1つです。
 一般的な放射線治療は、極めて高い線量の放射線を何回かに分割して照射します。例えば、肺がんの治療に用いられているピンポイント照射では1回につき10シーベルトという高線量を4~5回照射することによってがん細胞を死滅させます。つまり、放射線治療の際に患者は40シーベルトや50シーベルト、場合によってはそれ以上に高い放射線量をピンポイントで被ばくすることになります。
 その一方で、もし人体が10シーベルトという高い線量の放射線を一度に「全身」に浴びると、急性放射線障害という症状が起きます。この場合は、現代の医療では命を救うことができません。なぜ放射線治療でこのような高線量の放射線を用いることができるのでしょうか?
 理由は、放射線治療が「全身」に放射線を照射するわけではなく、がんのある部位のみに集中して放射線を照射するためです。これで、患者さんの全身の健康状態を維持しながら、がんの治療を行うことができるのです。
 最近では、陽子線治療や重粒子線治療といった、より病巣に集中しやすく、周辺の臓器の被ばく線量が少なく抑える治療法が開発されており、注目されています。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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