300年余の伝統を誇る福島市の羽黒神社の祭礼「信夫三山暁まいり」は10日から11日未明にかけて市内の信夫山一帯で催された。
日中は呼び物の大わらじが市内に繰り出した。長さ約12メートル、幅約1・4メートル、重さ約2トンもあり、五穀豊穣(ほうじょう)のシンボルで、復興への願いも込められている。担ぎ手約100人が信夫山のふもとから飯坂街道、JR福島駅前、13号国道などを巡る約10キロのコースを威勢のいい掛け声とともに約6時間かけて練り歩き、最後に信夫山の急坂を上って山頂の羽黒神社に奉納した。
大わらじを製作、奉納した御山敬神会の西坂信一会長(77)は「一人一人の力は小さいが、大わらじの担ぎ手のように集まれば大きな力となる」と話し、復興に向けて地域の結束の大切さを強調した。
夜は羽黒神社や県護国神社に露店が並び、大勢の参拝客でにぎわった。
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