東日本大震災アーカイブ

明るい未来歌う MFJ音楽祭 追悼と平安祈る

長田さん作詞、湯浅さん作曲の「おやすみなさい」が初演された音楽祭

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興を願う音楽が鳴り響いた。10日に福島市音楽堂で開かれたミュージック・フロム・ジャパンの「2013年音楽祭・福島」。被災者に寄り添い、本県の明るい未来を祈る楽曲が次々と披露され、県民を励ました。
 飯舘村の小学生が歌った「ときよめぐれ(までいのロンド)」は、村民が1日も早く村に帰れるように-との思いが込められている。〈未来の子よ はばたけ〉。福島市の詩人伊武トーマさんによる前向きな歌詞が子どもたちの明るい歌声に乗り、会場を温かく包んだ。
 舞台に立った臼石小4年の細杉利樹君は「飯舘のことを忘れないでほしいとの気持ちで歌った」と話した。草野小4年の佐藤由美さんは「たくさんの人に聴いてもらい、うれしい」と涙を浮かべた。
 福島市出身の詩人長田弘さん、郡山市出身の作曲家湯浅譲二さんが作った「おやすみなさい」も感動を呼んだ。犠牲者の追悼と平安の祈りが詰まった曲で、会場に駆け付けた2人にはひときわ大きな拍手が送られた。
 他に、俳人黛まどかさん作句、嶋津武仁さん(福島大教授)作曲の「飯舘の四季・四句」、詩人若松丈太郎さん(南相馬市)作詞、佐々木冬彦さん作曲の「ひとであるあかしとして」などが演奏された。
 飯舘村から福島市に避難している看護師相良久美子さん(51)は「村の子どもたちが元気に頑張っている様子が伝わってきて、感動した」と話していた。
 音楽祭に先立ち、村の小学生を対象とした雅楽のワークショップが開かれた。