東日本大震災アーカイブ

人材派遣で官民協力 復興推進委中間報告で被災地への投資促す

復興の加速化へ決意を示す安倍首相(右)

 政府の復興推進委員会は5日、首相官邸で会合を開き、官民が協力して東日本大震災の被災地への人材派遣や民間投資を促す仕組みをつくることを柱とした今年度の中間報告をまとめた。
 会合には安倍晋三首相、根本匠復興相(衆院本県2区)、佐藤雄平知事らが出席。佐藤知事は中間報告を評価した上で、本県にとって原発事故の収束が復興の前提になるという考えを強調した。報告を受けた安倍首相は「提言の実行がわれわれの責任だ。被災地で芽生えている先進事例を後押しして、新たなモデル事業を進める必要がある」と述べた。
 中間報告は、被災地では人口減少や高齢化が進み、復興事業の担い手や資金の不足が深刻化していると指摘。官民が連携し、民間非営利団体や若い人材が現地で活躍できる組織や仕組みをつくるべきだとした。津波や東京電力福島第一原発事故による避難生活を体験した子どもの心のケアや遊び場の確保、再生可能エネルギーの導入などを重点的に進めることも求めた。
 政府は中間報告を、経済財政運営の指針となる「骨太の方針」に反映させる。最終取りまとめは今年度内に行う予定。
 佐藤知事は委員会終了後、「原発事故が福島だけの問題ではなく日本の問題であるという考えを共有していただけたと思う」と語った。根本復興相は「福島の復興は原発事故の収束が大前提。復興をさらに進めていかなければならない」と述べた。