東日本大震災アーカイブ

三春の仮設住宅、県内初の集約へ 入居の富岡町民は転居

 県と富岡町は三春町内にある仮設住宅1カ所を10月から撤去し、平成28年3月末までに三春町に引き渡す方針を固め、2日、入居者に伝えた。県によると、東京電力福島第一原発事故に伴う避難者向け仮設住宅の「集約案」が入居者に示されたのは県内で初めて。
 撤去の見通しとなったのは三春町実沢の沢石仮設住宅。23年に三春町所有の運動場に建設された。現在は富岡町民18世帯約30人が暮らしている。
 県と富岡、三春両町は同運動場が東日本大震災発生前まで地元住民に日常的に使われていた経緯や、入居世帯が建設戸数(58戸)の3分の1程度に減った現状などを踏まえ、昨年から対応を協議。入居者が県内各地の仮設住宅などに転居後、27年度末までに敷地を原状回復する予定。富岡町は今後、入居者個々の意向を聞き取る。
 県が富岡町民らの入居を想定し、三春町平沢地区に整備する災害公営住宅(92戸)は27年度末の入居開始を予定していた。用地取得などが難航したため、半年程度遅れて28年度後期に完成する見通し。既に用地は取得し、4月の造成工事着工に向けて作業を進めている。