東日本大震災アーカイブ

北泉海岸に活気の波 原町で震災後初サーフィン全国大会 にぎわい戻り住民笑顔

サーファーらで久々のにぎわいを見せた北泉海岸

 県サーフィン連盟は12日、東日本大震災の津波で被害を受けた南相馬市原町区の北泉海岸で、震災後初となる全国規模の大会「サーフチャレンジin北泉」を開いた。全国からサーファー約200人が集い、海岸は久々のにぎわいに包まれた。
 北泉海岸は震災前、大勢の愛好者が訪れる人気スポットだった。震災後は活動を自粛するサーファーが増え、かつての活況は失われていた。連盟理事長の室原真二さん(47)=同市小高区から福島市に避難中=らは慰霊祭を開いて犠牲者を弔ってきた。今回の大会は「北泉の復興の一歩にしよう」と企画し、準備を進めてきた。
 生き生きとした表情で大会を楽しむ参加者の姿を見た室原さんは「全国からこれだけの人が集まってくれた。来年以降も大会を継続したい」と充実した表情を見せた。地元住民も運営に協力した。北泉行政区長の台野直さん(64)は「震災で家族を失った住民も大会開催に賛成してくれた。震災後、海岸はひっそりとして寂しかった。再びにぎわいが戻って感激している」と感慨深く語った。