約120年ぶりの大修理が進む世界遺産・興福寺の五重塔(奈良市)で10日、屋根瓦の解体工事が報道陣に公開された。工事は6月から開始。約6万枚の瓦(計約200トン)を手作業で取り外し、全面的にふき替える。
現在の五重塔は室町時代の1426年に建てられ、高さ約51メートル。修理中の雨風から守る「素屋根」に覆われている。この日は一番高い五重部分で、命綱を着けた作業員が屋根に上って瓦を取り外し1カ所に集めていた。
奈良県文化財保存事務所によると、塔の大修理は1901年に完了した明治時代以来。この時も瓦をふき替えたが、経年劣化でずれや破損が確認されるようになった。