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【福島U総括2021(上)】終盤、得点力不足響く

2021.12.07 16:55

 15チーム中5位の福島Uは、18チーム中13位だった昨季から大きく順位を上げた。だが優勝した熊本とは3勝に相当する勝ち点9差で、チームにとっては不本意な結果だ。ピッチ以外でも新型コロナウイルスの対応で反省を残し、J2クラブライセンス取得も逃した。本気でJ2昇格を目指したがゆえに、露呈した課題もある。今季を検証し、J2入りへの鍵を探る。


 開幕5日前に昨季全試合出場のDF吉田朋恭がJ2山形に移籍した。当初の構想は崩れたが、前半戦は堅守からゴールを狙い続ける「時崎スタイル」が好結果を生んだ。クラブタイ記録の4連勝を含む8勝2分け4敗。過去最高の2位で折り返した。

 後半戦も好調を維持し、2度目の4連勝を飾った。しかし9月19日の藤枝戦を15試合ぶりの無得点で落とすと、そこから3連敗。9月29日にJ2ライセンスの不交付が決まった後は、7試合で1勝と苦しんだ。指揮官は「気持ちを奮い立たせるマネジメントが難しかった」と振り返る。

 前半戦でチーム最多の8得点を挙げたFWイスマイラが7月にJ2京都へ移籍した。FW雪江悠人を中心に前線からのプレスが向上した。だが、得点力不足に泣いた。9月から11月にかけて前半の無得点が10試合続いた。MF諸岡裕人は「ポイントが近い相手に勝ち点3を取れなかった」と上位対決の敗戦を悔いた。

 攻撃陣はFW樋口寛規が9得点、故障で出遅れたFWトカチが7得点でけん引。2年目の鎌田大夢は5アシストを記録した。大卒新人ではDF堂鼻起暉、MF上畑佑平士、DF田中康介が17試合超で先発した。高卒1年目のFW長野星輝が来季への希望だ。

 28試合のうち3得点以上は2試合のみ。13勝のうち9試合、9敗のうち7試合が1点差だった。来季はJ2から降格した相模原、北九州、愛媛、松本とJFLから昇格するいわきFCを加えた18チームで争う。「優勝も最下位もあり得る」と指揮官が語るJ3。昇格圏内の2位以内を巡る競争は激しさを増す。