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【福島U総括2021(中)】コロナ対策課題残す

2021.12.07 17:00

 昨季に続いて感染が拡大した新型コロナウイルスの対応を巡り、福島Uは感染対策や検査結果の管理で反省が残った。

 4月に6選手が陽性となり、クラスター(感染者集団)が発生した。トップチームの活動を約2週間休止し、同月25日の岩手戦は延期された。

 再開後は5月2日の敵地・長野戦から4連勝するなど奮闘したが、体調回復に苦しむ選手もいた。クラブは行動規範を厳格化。接触機会を減らすため、選手が飲料ボトル用の個人バッグを持つなど感染防止に努めた。

 五輪開催に伴う中断期間中の8月、再びクラブが揺れた。5月の八戸戦でJリーグ公式PCR検査を受けていない選手を出場させたとして、結果を2-0から0-3に変更し、けん責とする処分がリーグから科された。

 クラブは試合運営の権限を持つマッチコミッショナーが出場を認可したと主張。日本サッカー協会(JFA)に不服申し立てをした。10月にJFA不服申立委員会が敗戦扱いを取り消し、軽減した懲罰として罰金150万円を科した。

 同委員会は「マッチコミッショナーによる積極的な提言と承認」を「大きな原因」と認定したが、福島Uを運営するAC福島ユナイテッドの鈴木勇人社長は「罰金はクラブに責任がある証明」と落ち度を認め、確認体制の強化を打ち出した。

 勝ち点剝奪の処分はJリーグ史上初で、各クラブから注目を浴びた。来季もコロナ禍が続く可能性がある。勝ち点1は昇格、降格を左右し、選手の人生や街の活性化にも影響する。プレーに集中できる環境を確保し、応援の輪を広げるためにも、再発は許されない。