日本相撲協会は28日、大相撲春場所(3月13日初日・エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表した。福島県福島市出身の若隆景関(27)=本名・大波渥さん、荒汐部屋=が新関脇に昇進し、東に就いた。福島県出身力士の新関脇は2004(平成16)年初場所の玉乃島(泉崎出身、放駒親方)以来18年ぶり。戦後5人目で、本県出身力士の最高位に並んだ。
若隆景関は28日、荒汐部屋で荒汐親方(38)=元幕内蒼国来=と共にオンラインで記者会見し、「(祖父若葉山と同じ)小結をずっと目標にしてきた。超えられたのは大きい」と喜びをかみしめた。春場所の目標について「一日一番、自分の相撲をしっかり取って勝ち越したい」と表情を崩さず語った。
福島市の吉井田小1年で相撲を始め、信夫中、学法福島高で力を付けた。東洋大に進み、2016年の全国学生選手権個人で2位。2017年春場所に三段目百枚目格付け出しで初土俵を踏んだ。2018年夏場所で新十両、2019年九州場所で新入幕を果たした。
新型コロナウイルス感染から復帰した昨年の春場所、続く夏場所で2場所連続の技能賞に輝いた。新小結として臨んだ昨年7月の名古屋場所は5勝10敗と負け越した。その後は3場所続けて勝ち越して今回の春場所で三役に返り咲いた。
戦後の本県出身力士では時津山、信夫山、栃東(先代)、玉乃島の4人が関脇まで上り詰めた。2002年の荒汐部屋創設後、新関脇は初めて。
大波3兄弟の次男若元春関(28)=本名・大波港さん=は西前頭九枚目、長男若隆元(30)=本名・大波渡さん=は西幕下十三枚目に番付を上げた。3兄弟の祖父は元小結若葉山(埼玉県出身)、父政志さん(54)は元幕下若信夫。