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福島県の若松一・女子が5位、14人抜きの湯田和未選手が最優秀選手賞 滋賀県で全国中学校駅伝 高田・男子は追い上げ9位

2022.12.18 21:04
2区大関にたすきをつなぐ1区鈴木(右)。区間3位の走りでチームに貢献した
5位でゴールする若松一の湯田主将。14人を抜く快走で最優秀選手賞に選ばれた

 第30回全国中学校駅伝大会は18日、滋賀県野洲市の希望が丘文化公園スポーツゾーン芝生ランドで開かれた。福島県勢は2大会連続6度目の出場となった女子(5区間12㌔)の若松一(会津若松市)が44分0秒の5位で、9年ぶり2度目の入賞を果たした。アンカーの湯田和未選手(3年)が14人を抜く走りで区間賞を獲得し、最優秀選手賞に選ばれた。

 若松一は1区鈴木菜純選手(2年)が区間3位でチームに勢いをもたらした。2区大関響流選手(同)が入賞圏内を維持。3区岡西香乃選手(3年)、4区菅原心美選手(同)はそれぞれ順位を落としたが粘りを見せた。アンカーの湯田選手が前半から攻める力走で順位を上げ、5位でフィニッシュした。

 男子(6区間18㌔)は2年連続3度目の出場となった高田(会津美里町)が59分45秒で9位だった。一時、20位まで順位を落としたが、5区と6区で巻き返した。


■若松一 雪辱の熱走 全国中学駅伝女子5位

 18日に滋賀県野洲市で開かれた第30回全国中学校駅伝大会女子で、9大会ぶりの5位入賞を果たした若松一(福島県会津若松市)は、14人抜きで最優秀選手賞に選ばれた湯田和未(なごみ)主将(3年)を中心にチームが一つになった。15位に沈んだ前回大会の悔しさを胸に5人が雪辱の走りを見せ、大舞台で輝きを放った。


■湯田主将 14人抜き チーム一丸 声援力に

 5位でフィニッシュラインを過ぎると、湯田主将はその場に倒れ込んだ。涙が止まらない。この仲間と走る最後のレース、優勝を逃した悔しさ、入賞できた達成感-。さまざまな思いが入り交じった涙だった。

 下級生主体で臨んだ前回大会は15位だった。湯田主将は1区区間2位と力走したが、チームは初めての芝生のコースに対応しきれなかった。10月の東北大会後、「滋賀の忘れ物をチーム力で取りにいく」をスローガンに練習に励んだ。毎朝、午前7時過ぎから約1時間体を動かした。4000メートルから5000メートルの長距離を速いペースで走り込むなど体力もつけた。

 この日のレースでは1区の鈴木菜純(なずな)選手(2年)が安定した走りで上位に食い込んだ。少しずつ順位を落としたが、2~4区の選手も粘った。

 湯田主将は4区菅原心美選手(3年)から19位でたすきを受けた。入賞圏内の8位との差は35秒。「和未!狙えるぞ!」。沿道の仲間の声援が力になった。残り1キロで8位の選手を捉えると、一気に5位まで浮上した。トラックに入っても力を緩めず、最後まで走りきった。

 菊地泰輔監督は「子どもたちが本当に頑張ってくれた。この結果は宝物になる」とたたえた。湯田主将は「頼もしい後輩たちが残る。また全国を目指してほしい」と思いを託した。


■男子9位の高田 誇りと重圧、力に

 男子の高田(福島県会津美里町)は出場選手6人全員が初の近江路ながら9位と奮闘した。1区を担った渡部勇輝主将(3年)は「最後まで諦めない走りはできた」とレースを振り返った。

 「最強世代」と呼ばれた先輩が前回大会で2位となり、下級生は誇りと重圧の双方を抱えながら練習に取り組んできた。万全を期して臨んだレースだったが、強風に苦しめられ、思うような走りはできなかった。

 渡部主将はスタートから先頭集団の背中を追ったが12位と納得のいかない順位だった。「良い順位でたすきをつなげなかった」と悔やんだ。

 チームを率いた角田一昭監督は「ミスした選手は一人もいなかった。持てる力を出し切ってくれた」とねぎらった。