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福島県中体に地域クラブの参加容認 部活動指導の地域移行を機に 今年度は13競技対象、29団体決定

2023.04.08 09:20

 福島県中体連は今年度以降の県中学校体育大会(県中体)で、条件を満たした地域クラブの参加を認める。今年度は加盟する18競技中13競技が対象で、参加する29クラブを決めた。公立中の休日の部活動指導を教員以外に委ねる「地域移行」が今年度から始まるのに合わせ、日本中体連が決定した大会参加資格の緩和措置を踏まえた。部活動を巡り少子化や指導者不足などが課題となる中、地域クラブの参加容認により、小規模校や部活動がない競技の選手の出場機会確保、小・中一貫指導による競技力の底上げなどが期待される。

 日本中体連は昨年12月、総合型地域スポーツクラブなど民間団体に所属する選手についても今年度の全国中学校体育大会(全中)から全競技で参加を認めることとし、各都道府県の中体連に通知した。

 県中体連は大会参加を認める条件として①競技を管轄する連盟や協会などの中央・県団体に登録している②練習場所を確保し、継続的に活動している③大会の競技役員や審判などに協力する④傷害保険に加入するなど万全の事故対策を講じるなど12項目を定めた。

 今年度の対象は陸上競技、水泳、ソフトボール、ソフトテニス、バドミントン、ハンドボール、柔道、剣道、体操競技、新体操、相撲、スケート、スキーの13競技。陸上競技、水泳、バドミントン、ソフトテニスなど個人競技は地区予選から参加できる。ソフトボール、ハンドボールなどの団体競技と、バドミントンや剣道などの団体戦は競技団体から推薦された1クラブが県大会から参加できる。軟式野球とサッカー、バレーボールは競技団体の準備が整わないため、今年度の参加は見送った。バスケットボールと卓球は中学生が地域で活動するチームが県内にないため、出場資格は緩和しない。

 相撲や新体操など競技によっては、部活動を設置する学校が少ないケースがある。地域クラブ所属での参加が可能になれば、希望者が少なく学校で部活動ができない選手にも活躍の場が生まれる。団体競技は学校の壁を越えてチームを編成でき、小規模校を含め多くの選手が出場機会を得られる。地域の競技経験者や専門家から、より充実した指導を受けられる利点に加え、小学校時から在籍するクラブの仲間と大会に参加することも可能だ。

 一方、有力選手を集めた選抜チームの結成や、過度な練習や指導が行われる懸念も拭えない。県中体連の担当者は「学校体育の理念を重んじながら指導に当たってほしい」としている。