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パリ五輪切符懸けMGCに挑戦 今井正人(原町高出身)と横田俊吾(学法石川高出身)が抱負

2023.10.14 09:17
過去17回のマラソン経験を生かし、粘りの走りを誓う今井
最年少として実績のあるメンバーに挑む覚悟を示す横田

 東京・国立競技場発着で15日に開かれるパリ五輪マラソン代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップMGC」の男子に福島県勢の今井正人(39)=トヨタ自動車九州、原町高出身=、横田俊吾(23)=JR東日本、学法石川高出身=が挑む。精鋭61人の中で最年長と最年少の2人は13日、都内で公式記者会見に臨み、夢の切符をつかむ決意を示した。

■今井、18度目のマラソン「粘って踏ん張りたい」

 今井は今回が18度目のマラソン。記者会見で「見てほしい部分」という全員共通の質問に「粘り」と書いた。「今までと同様に粘って踏ん張り、最後は胸の差でも前に出たい」と思い描いた。

 2019(令和元)年9月、前回のMGCは25位。体調不良やけがで本番にピークが合わなかった。進退を懸けて臨んだ昨年2月の大阪マラソンで、自己2番目の記録となる2時間8分12秒の6位となり、MGC出場権をつかんだ。

 記者会見後の取材では、「ラスト7、8キロの少しずつ上り始める場面での余力を意識したい」と展望した。経験値が高い分、レース中の引き出しの多さは武器だ。当日は雨の予報だが「悪天候はプラスになる」と言い切った。「一発勝負は速さだけでなく地力のある選手が強い」。群雄割拠の大一番に全身全霊を注ぐ。

 今井の古里・南相馬市の今井正人応援団は15日、約30人が国立競技場で声援を送る。市内小高区の小高交流センターではパブリックビューイングを行う。9月に今井選手に会って激励した応援団長の江本節子さん(76)は「今までになく元気で迷いを感じさせない様子だった。今回はやってくれると信じている」と期待した。

■大卒1年目の横田「強い先輩方に食らいつく」

 大卒1年目の横田は初めて五輪を懸けた舞台に立つ。記者会見では「強い先輩方に食らいつき、最後はトップでゴールしたい」と抱負を披露した。

 青学大では大学3大駅伝に4回出場した。3年時の別府大分毎日マラソンで、フルマラソンに初挑戦。4年生だった今年2月の同大会で、日本学生記録を更新する2時間7分47秒をマークし、4位に食い込んだ。

 マラソン練習でも学法石川高で磨いたスピードが礎となっている。「石川町の方のためにも、少しでも長く、先頭集団でテレビに映りたい」と意気込んだ。

 学法石川高で横田を指導した松田和宏監督(49)は「持ち前の粘り強さで、思い切ったレースを展開してほしい」とエールを送る。MGCは全選手が勝負に徹するため、普段とは異なるレース運びや番狂わせが起こり得ると分析。実業団1年目の横田にも勝機があるとみている。「前半に我慢し、後半に加速できればチャンスはある」と期待を寄せている。