サッカーの高校生年代最高峰「高円宮杯JFAU―18プレミアリーグ」は26日、各地で第21節の9試合を行った。東地区3位の尚志高は福島県郡山市西部サッカー場で横浜F・マリノスユースとのホーム最終戦に臨み、4―3で競り勝った。通算成績を14勝4分け3敗として勝ち点を46に伸ばした。今節を引き分けた地区首位の青森山田高(勝ち点48)との勝ち点差を2に縮め、最終節の逆転地区優勝に望みをつないだ。
尚志高は前半5分、MF浜田昂希(3年)がPKを決めて先制。26分に追い付かれたが、34分にはFW網代陽勇(同)がコーナーキックに頭で合わせて勝ち越し。1分後に失点し、2―2で折り返した。
後半2分に網代がこぼれ球を左足で押し込んで再びリードすると、22分に再び追い付かれた。終了間際の47分、FW桜松駿(同)が左足で決勝点を挙げた。
最終節は12月3日午後1時から勝ち点で並ぶ2位の川崎フロンターレU―18と等々力陸上競技場(川崎市)で対戦する。
プレミアリーグは各地区を代表する高校やクラブユースの強豪が東西2ブロック、12チームずつに分かれ、ホーム&アウェー方式の総当たりで競っており、各チーム22試合を戦う。両ブロックの優勝チームは日本一を決めるファイナルに進む。
■終了間際、桜松が決勝弾
残り10分で投入された尚志高のFW桜松駿(3年)が、壮絶な打ち合いに終止符を打った。引き分け以下で地区逆転優勝の可能性が消える一戦。リーグ戦12試合ぶりの一発が値千金の決勝弾となり、「チームを勝たせたい一心だった」と胸を張った。
三度先行しながら、その都度追い付かれる息詰まる展開。後半32分に3―3に並ばれ、3分後にピッチに送り出された。ロスタイムも既に2分が経過した時点で、ゴール正面で相手を背負いながらパスを受け、反転して左足を振り抜いた。ゴールネットが揺れるのを見届けると、仲間と喜びを爆発させた。
前節は12試合ぶりに黒星を喫し、3位に後退。優勝争いが佳境を迎える中、仲村浩二監督は技術よりも最後まで諦めない姿勢を選手に求めた。土壇場で底力を発揮した選手は勝利の瞬間、大の字でピッチに倒れ込んだ。指揮官は「(最後まで粘る)尚志の姿を体現できた」とねぎらった。
最終節で戦う川崎にはホームに迎えた4月の前回、1―3と敗れた。今季リーグ7点目とFW網代陽勇(同)と並んでチームトップの桜松は「一生懸命、全力で戦う」と必勝を期した。