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アマ野球最高峰 若き審判員挑む 19日開幕 東京ドームで都市対抗 27歳 柴田さん(福島市) 経験次世代に

2024.07.12 10:36
正確なジャッジで都市対抗野球大会を支えたいと語る柴田さん

 19日に開幕する社会人野球最高峰の第95回都市対抗野球大会で27歳の若手が審判員に抜てきされた。福島県公認野球審判員の柴田大地さん(福島市)は、これまで福島県から派遣された中で最年少となる。審判歴10年目で「夢の舞台に立てる。臆することなく試合をジャッジしたい」と意気込む。アマチュアのトップ選手が集う大会での経験を若い世代に伝え、審判員の魅力を広める。


 評価されたのは正確で分かりやすい判断や毅然(きぜん)とした態度だ。東北地区連盟などから推薦を受けた。12日に開幕する全国高校野球選手権福島大会で審判を務めた後、東京ドームで始まる都市対抗野球大会に派遣される。

 高校球児だった。福島西高で仲間とともに白球を追いかけた。引退後、後輩の練習試合で審判を務めて興味が湧き、卒業後すぐに当時、県内最年少の18歳で公認審判員資格3級を取得した。多くの大会で球審や塁審を務め、2022(令和4)年12月に、全国規模の大会で裁ける1級を取得した。福島中央郵便局に勤務する。平日は仕事、休日は県内の球場で年間約100試合の審判を務める日々を送る。

 県内の審判員は減少が続いている。2019年度に634人だった登録者数は2023年度に540人となった。多くの審判員が柴田さんと同じように働きながら活動している。交流サイト(SNS)が普及し、野球ファンの間で誤審が非難の対象となるケースもある。炎天下で約3時間立ち続ける過酷さが「割に合わない」と辞める人もいる。

 柴田さんも仕事との両立に限界を感じ、悩んだ時期があった。続けてこられたのは「球児がひたむきにプレーする姿を見て、改めて野球が好きなことに気づけた」からだ。今年、県野球連盟県北支部審判部の副部長となった。高校生や大学生らを対象にした講習会などを通じ、都市対抗野球大会での経験や審判の魅力を伝えるつもりだ。「役目を果たし、若くても大舞台に立てると伝えたい。審判を目指す人が増えるよう活動する」と言葉に力を込めた。

 柴田さんとともに都市対抗野球大会に派遣される県野球連盟県北支部審判部長の高橋進也さん(46)は「真摯(しんし)に野球に向き合い、信頼できる審判員だ」と太鼓判を押す。正確なジャッジで大舞台を支える。