第77回全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)は大会第3日の25日、東京都渋谷区の東京体育館で男子の2回戦と女子の3回戦を行い、福島県男子代表の福島東稜は前回大会王者の福岡第一との2回戦に臨み、69―95で敗れた。
高校総体王者の東山(京都)が九州学院(熊本)を81―53で下し、3回戦に進んだ。八王子学園八王子(東京)は富田(岐阜)に80―61で、福岡大大濠は日本航空(山梨)に88―64で快勝し16強入りした。
女子3回戦は、全国高校総体覇者で3連覇を狙う京都精華学園が聖カタリナ学園(愛媛)に101―56で大勝し、準々決勝に進んだ。鵬学園(石川)は日本航空(山梨)に52―45で、昭和学院(千葉)は岡豊(高知)に69―60で勝利。岐阜女、桜花学園(愛知)精華女(福岡)慶誠(熊本)大阪薫英女学院も8強入りした。
▽男子2回戦
福岡第一 95―69 福島東稜(31―16、21―18、22―13、21―22)
【評】福島東稜は第1クオーターでリードを奪われ、福岡第一に屈した。序盤に精度の高いシュートを決められ失点を重ねた。後半はプレスを仕掛けてスティールから得点する場面もあった。パスやシュートのミスが続き、点差を縮められなかった。
■前回王者相手に終盤まで粘り 主将加藤「最後にふさわしい」
福島東稜は前回大会王者を相手に最後まで必死に食らい付いた。主将の加藤旭陽(3年)は「負けはしたが、チームの最後にふさわしい試合だった」と充実感に浸った。
第1、2クオーターは相手の厳しい守備からパスミスが重なり、速攻で点差を広げられた。後半からは敵陣で積極的にプレスを仕掛けた。相手のミスを誘うと皆川智哉(3年)と小倉志龍(同)の3点シュートやモモ・アブドゥルサモド・コリンス(2年)がゴール下で得点し、粘りを見せた。
相手のポストプレーとガードへの守備を徹底するため、ボール保持者には1対1、それ以外の選手にはゾーンで対応する「マッチアップゾーン」を取り入れた。常にマッチアップが変わる中で加藤は懸命に声をかけ続けた。パスをカットし雄たけびを上げる場面もあり、苦しい状況でも仲間を鼓舞し続けた。
加藤は山梨学院大に進学して競技を続ける。「持ち味の3点シュートと激しい守備で選手としてさらに成長していきたい」と誓った。
■福岡第一、上々の初戦
2連覇を狙う男子の福岡第一は伝統の堅守速攻で福島東稜に快勝。上々の初戦を終えた井手口監督は「守備は確認したことをある程度やれていた」と及第点をつけた。
主力に下級生が多い今年のチーム。全国高校総体は準決勝敗退、U18トップリーグは3位だった。監督は「今年はずっと負けている。今まで負けたチームに勝ちたいという気持ちを持つことがいい結果につながる」と挑戦者の立場を強調した。