第103回全国高校サッカー選手権2日目は29日、首都圏各地で1回戦15試合を行った。4年連続15度目の出場の福島県代表の尚志(郡山市)はさいたま市のNACK5スタジアム大宮で東福岡(福岡)との初戦に臨んだ。0―0からのPK戦(3―5)で敗れ、2年ぶりの初戦突破はならなかった。
▽1回戦
東福岡 0(0―0)0 尚志
(0―0)
(PK5―3)
【評】スコアレスで決着がつかず、尚志はPK戦で東福岡に屈した。尚志は試合序盤、東福岡に押し込まれるが徐々にペースをつかみ、サイドからの攻撃で相手ゴールを脅かした。後半も主導権を握って攻め込み、MF大内、MF千住が2本ずつシュートを放つがゴールを割れなかった。PK戦で尚志は4人目で失敗したが、東福岡は全員が成功させた。
■再三の好機逃す 大内「決め切れなかった」
尚志は過去3度の選手権優勝を誇る東福岡のゴールを何度も脅かしたが、決定力不足に泣いた。チーム最多3本のシュートを放ったエースのMF大内完介(3年)は「チャンスで自分が決め切れなかった」と言葉を振り絞った。
3月にU―17日本高校選抜入りした大内は、相手から徹底マークを受けた。囲まれながらも得意のドリブル突破で何人も抜き去り、会場を沸かせた。しかしGKの好守に阻まれ、ゴールネットは揺らせず。PK戦後はピッチに立ち尽くした。
高校選抜のレベルを体感し、プロ選手としての将来をより意識するようになった。しかし気持ちが空回りし、プレーは精彩を欠いた。全国高校総体(インターハイ)につながる県高体では先発落ちも経験した。自信を取り戻した契機は、昨年、同じ背番号7を背負った安斎悠人(J1京都)の言葉だった。相談すると「いつも通りやればいい」と背中を押してくれた。
悲願の全国制覇は後輩たちに託す。「PK戦にもつれる前に勝てるよう、得点力を磨いてほしい」と期待を込めた。