県警本部警務部長に就いた小笠原和美氏は18日、福島民報社のインタビューに答え、東日本大震災の行方不明者の捜索に全力を挙げる考えを示した。
−大震災直後の着任となった。
「県内でも多くの犠牲者が出た。お悔やみを申し上げる。警察職員にも殉職者、行方不明者がいる。親しい人を失った方々の悲しみに心を寄り添わせた活動をしていかなければならない」
−現在、県警の優先すべき役割は。
「行方不明者の捜索活動が主体。1日も早く、一人でも多くの不明者を発見し家族に会わせたい、との気持ちで臨んでいる。探したいのに行けない家族の代わりができるのは警察だと思っている」
−原子力安全・保安院に出向経験がある。
「震災直後、警察庁長官官房給与厚生課理事官として、保安院当時に面識を得た大学の名誉教授に依頼し、福島県警で放射線の基礎的知識を講話してもらった。経験を生かし部隊の健康管理などに取り組みたい」
−平成7年の阪神大震災を経験している。
「採用後間もなく兵庫県警に赴任しており、寝ていた宿舎と同じ敷地の兵庫署が倒壊した。私自身、救助に当たった。福島県は津波の影響が大きく、より困難性が増していると感じている」
−県民に一言。
「県警をはじめ、全国警察を挙げて被災県民のために努めようと強く思っている。県民にも心強く思っていただけるよう取り組む」
■おがさわら かずみ 盛岡市出身。慶応大総合政策学部卒。平成6年に警察庁採用。栃木県警捜査二課長、大阪府警外事課長、警察庁刑事企画課理事官など歴任。都道府県警の女性警務部長としては全国2人目。警視正。39歳。
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