福島市の松陵中に入学する熊川美里さん(12)は、被災のショックを両親や周囲の支えで乗り越え、中学校生活をスタートさせる。
浪江町の請戸小の校舎が津波に襲われた。警報を受けて教員に連れられ、児童みんなで走った。1・5キロほど離れた大平山に逃げた。自宅が流されたことを知った。中学校に通う自転車も学用品もなくした。
津波の恐怖を忘れられず、二本松市の避難所に着いた時には、あまり言葉を発しなくなった。
避難所で同じ悲しみを持つ多くの人と出会い、言葉を交わした。炊き出しを手伝った。少しずつ笑顔が戻った。「何も心配しなくていいんだよ」と父美広さん(52)。母広美さん(46)は「家族みんなで手助けするから」と優しく声を掛ける。
知らない学校での生活に不安はある。それでも今は頑張ろうと思っている。
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