「友達や先生とまた会える」。南相馬市から郡山市の県農業総合センターに避難している佐々木香奈さん(11)は、1年前まで通っていた須賀川市の須賀川二小に転入学する。
昨年3月、須賀川市から南相馬市に引っ越したばかり。自宅が福島第一原発から半径20キロ圏内の避難指示区域にあり、家族三人で避難してきた。
母美香さん(39)は娘ができるだけスムーズに新生活を始められるよう、車で片道1時間程度かけても、慣れ親しんだ学校に通わせる道を選んだ。いずれは須賀川市内で住宅を探すつもりだ。
別れもある。父信行さん(43)は4日、避難所から屋内退避圏内にある南相馬市の会社に戻った。仕事場で寝泊まりするという。
離れ離れの生活は寂しくもあるが、「もともといた学校に戻れる私はまだ恵まれている。心細い思いをしている人はたくさんいる」。
須賀川二小の児童は被災地の佐々木さんの安否を心配し、無事と分かったときには大喜びだったという。「楽しい学校生活を送らせたい」。昨年3月まで担任だった井野元君江さん(57)は佐々木さんの登校を心待ちにしている。
(カテゴリー:福島第一原発事故)