東日本大震災、原発事故の影響などで営業を休止していたJAいわき市の農産物直売所「新鮮やさい館」三店は3日から順次、営業を再開した。
放射性物資の影響で出荷制限や風評被害が広がるなど農家を取り巻く生産環境情勢が厳しさを増す中での再スタート。運営を担当する大治貴史同JA営農経済部経済課係長らは「農産物出荷の安全管理に気を配りながら、生産者を活気付け、消費者に新鮮な野菜を食べてもらうために頑張りたい」と決意を新たにしている。
谷川瀬店はトップを切って3日にオープンした。農家が丹精込めて育てたトマトやキュウリ、ダイコン、ウド、シイタケなど地元産の安全で新鮮な野菜を販売した。ハウスなどの施設栽培の野菜を中心に並べた。原発事故の影響で出荷制限となっている品目などは取り扱っていない。
出荷を待ちわびていた農家らは待望の再開を喜び、次々と野菜を運び込んだ。平地区のトマト栽培農家の女性(60)は「野菜を待ち望んでいる人たちがいるのに出荷できず歯がゆかった。風評被害なんかには負けたくない。地元の新鮮で安全な野菜を届け続けたい」と言葉に力を込める。
谷川瀬店を家族三人で訪れた内郷地区の男性会社員(39)は「地元産の野菜を食べ続けることが地域の再興につながると期待したい」と新鮮な野菜を買い求めていた。
平窪、勿来の両店は4日に営業を再開した。三店とも当初は午前10時から午後2時頃までの営業となる。谷川瀬店は水曜日定休、平窪、勿来の両店は日曜日定休。
(カテゴリー:福島第一原発事故)