県教委は東日本大震災による県内文化財の被害状況をまとめ、21日に発表した。いわき市の国宝「白水阿弥陀堂」や郡山市の国指定重要文化財「旧福島県尋常中学校本館」など、国、県指定合わせて56件で破損などが確認された。
各文化財の被害状況は【表】の通り。21日までに46市町村から報告を受けた。被害件数の内訳は、国宝一件、国指定24件、県指定26件、国登録有形文化財四件、重要伝統的建造物群保存地区一件。
国登録有形文化財の竹屋旅館(福島市)と奥山家(国見町)、重要伝統的建造物群保存地区の大内宿(下郷町)はそれぞれ複数の建物が被災したが、まとめて各一件として集計した。
市町村でさらに調査が進めば件数は増える可能性がある。福島第一原発事故で避難指示が出ている半径20キロ圏内は立ち入ることができないため、実態はつかめていない。
国指定は文化庁があらためて調査し、補修の手続きに入る。県指定文化財は県教委が調べ、補修の計画を立てる。被害は県内全域に及んでおり、補修にはかなり時間がかかる見込みだ。
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