福島市飯坂町の福住旅館に避難している南相馬市小高区の無職加藤ヤイ子さん(82)は今月下旬に同市原町区の借り上げ住宅に引っ越す。
自宅は東京電力福島第一原発から半径20キロ圏内の警戒区域にあり、震災直後の3月12日から避難生活を続ける。地元の中学校や親戚宅、福島市のあづま総合体育館、会津若松市の東山温泉など各地の避難所を転々としてきた。5月上旬に移動してきた現在の旅館は7カ所目だ。
「自宅には戻れないが、しっかりと新生活を踏み出したい」。旅館での温かいもてなしに感謝しつつ、長かった避難生活の終わりを見据えた。
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