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今を生きる 困難越えタスキつなぐ 感謝胸に力走

最後まで走り抜いた山木屋中特設駅伝部の選手。前列右から2人目が渡辺さん

■川俣南小に移転・山木屋中特設駅伝部主将 渡辺明莉さん(3年)
 川俣町山木屋地区が計画的避難区域に指定されたため、川俣南小に移転した山木屋中。特設駅伝部は8日の第54回県中学校駅伝競走大会福島支部予選会で男女ともに、最後までタスキをつないだ。陸上部がなく「山木屋のユニホームで仲間と走りたい」と希望者が夏休み前に特設部を結成、見事な走りを見せた。
 女子でただ1人の3年生で主将としてチームを引っ張った渡辺明莉さん(3年)は「先輩として頑張る姿を見せられたかな。支えてくれた方々に心から感謝する」と笑顔で前を向いた。
 渡辺さんは山木屋地区を離れ、町内で避難生活を送っている。バドミントン部で活躍し1度は引退したが「運動が好き。走りたい」と、手を挙げた。
 駅伝の練習時間は他の部活動が始まる前の30分間のみ。練習時間のある夏休みも、放射線の影響に配慮し、屋外での練習量は限られていた。1人で1年生を率いるプレッシャーにも悩んだ。
 山木屋中は震災と原発事故の影響で2年生の女子全員が転校した。このため渡辺さん以外の区間はバドミントン部の1年生4人が走った。男子は6区間を各学年2人ずつが走った。
 大会当日。1区を務めた渡辺さんは、序盤から先を走る選手を追いかける苦しい展開となった。結果は最下位だったが、最後まで力を振り絞る姿に周りから「山木屋頑張れ!」のエールが送られた。アンカーがゴールすると会場は温かい拍手に包まれた。「後輩には来年も山木屋中のため走ってほしい」。渡辺さんは、タスキに思いを託した。

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