東日本大震災アーカイブ

原町火発 平成25年夏までに復旧 東北電力社長が見通し

震災直後の原町火力発電所1号機建屋の1階内部(上)と現在の内部(下)=東北電力提供

 東北電力の海輪誠社長は30日、仙台市の本店で記者会見し、東日本大震災で被害を受け運転を停止している南相馬市の原町火力発電所(1、2号機、出力計200万キロワット)について平成25年夏までに復旧させる考えを示した。

 原町火力発電所の復旧見通しが示されたのは初めて。海輪社長は「設備被害が大きい上に、当初は屋内退避区域だったため遅れていた実態調査や作業が、最近になって進み始めた」として復旧に全力を挙げる考えを明らかにした。同発電所内に建設が計画されている大規模太陽光発電施設については他の予定地より遅れるとの認識を示した。

 原町火力は震災時に高さ18メートルの津波に襲われ、電気、機械系統の設備が冠水し、重油タンクや揚炭機が倒壊した。現在は約600人態勢で復旧に当たっている。

 県内に建設計画がある浪江・小高原発に対しては「現時点でどうするかコメントできないが、新規については厳しいと思っている」と述べた。

 7月末の集中豪雨で運転を停止している金山町の第二沼沢水力発電所(出力46万キロワット)は9月中の運転再開を目指していたが、堆積した土砂の排除に時間がかかったため、10月中の再開を目指すとした。