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【二本松の新築マンション】室内安全なはずが... 3カ月で積算1ミリシーベルト超 子どもの線量調査で判明 市長、転居促す

 二本松市のマンションの室内で、屋外よりも高い放射線量が検出されたことが明らかになった15日、市内には緊張が走った。きっかけは子どもの積算線量調査だった。「家の中は安心だと思っていたのに」。入居者らは衝撃を受けた。市は入居者の転居など対応を急ぐが、原因となったコンクリートなど建築資材の放射線量に関する法律や基準はない。建設に関係した業者も突然の事態に困惑している。

 「コンクリートに使われた材料が放射性物質に汚染されていたと推定される」。15日、二本松市役所で緊急会見に臨んだ三保恵一市長はこわばった表情で経緯を説明した。
 発覚のきっかけは市が昨年9~11月に市内の18歳以下を対象に実施した積算線量調査だった。問題のマンションに住む中学生の積算線量が1.62ミリシーベルト、この中学生のきょうだいも1.19ミリシーベルトと、平常時の被ばく線量限度とされる年間1ミリシーベルトを上回っていた。
 市が環境省や日本原子力研究開発機構(JAEA)などに協力を依頼し調べた結果、コンクリート内に含まれる放射性セシウムが原因と突き止めた。さらに、環境省や経済産業省がコンクリートの材料となった石の産地を調べたところ、浪江町津島地区と判明した。
 マンションは鉄筋コンクリート3階建てで、賃貸の計12世帯が入居している。建物のコンクリート内に放射性物質が含まれているため、高圧洗浄や表面の削り取りなど一般的な除染方法では効果がない。三保市長は「市民の健康を守るためには転居が望ましい」として、1階に入居する4世帯を市内のアパートや市営住宅に転居させる方針を示した。さらに、2、3階に住む世帯にも希望を聞き、転居先のあっせんなどを行う。
 会見には三保市長のほか小泉裕明市教育長、三村和好市総務部長、本田光雄市市民部長、内閣府原子力災害対策本部原子力被災者生活支援チームの茶山秀一放射線班長、環境省福島除染推進チームの大利泰宏次長、県原子力安全対策課の小山吉弘課長が出席した。

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