■いわきの真言宗智山派福島第一教区青年会
いわき市の真言宗智山派福島第一教区青年会は阪神大震災「1・17希望の灯(あか)り」を分灯してもらい、兵庫県西宮市からいわき市まで徒歩で運ぶ計画を立てている。中山道を通り11都府県の全長805.5キロを30日間かけて踏破する。
「犠牲者への鎮魂、そして全国からの支援に感謝の気持ちを伝えたい」。青年会長の久野雅照さん(40)=安養院=、副会長の鈴木公弘さん(40)=泉蔵院=は意義を強調する。2月5日に出発し到着は3月5日。「震災の記憶を風化させてはならない。われわれの姿を見てもらい全国の皆さんに末永い支援を呼び掛けたい」と久野さんらは決意する。
延べ参加者数は久野さんと鈴木さんを含め300人超で10~15人が1日18キロから38キロを歩く。分灯された火をランタンに入れて背負い、縦2.1メートル、横80センチののぼり2本を掲げるという。予備日はなく「会員の絆を強め、鎮魂の思いを胸に歩く」と話す。
到着後の3月10日午後4時から午後6時まで、いわき市の平野球場で犠牲者慰霊・復興祈願「灯(とも)せ!希望の灯りを被災地に」を開く。福家産業社長橋本芳家さん(65)ら地元有志が実行委をつくり賛同を呼び掛けた。訪れた住民には約3000個の白いカップに思い思いの願いを書き込んでもらい、神戸から運んだ火をろうそくにともし中に入れる。
ろうそくはマウンド周辺に「祈 3・11」と並べる。橋本さんは「『祈り』の気持ちを多くの人が共有し、復興に向かい心を1つにする希望の灯りにしたい」と来場を呼び掛ける。今後、モニュメントの建立を計画しているという。
問い合わせは青年会会員の藍原法明さん(金光寺) 電話0246(33)2136へ。
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