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3月11日生まれの田辺さん 実証試験に特別な思い

 東京電力福島第一原発事故で汚染された土の減容化と一時保管方法の実証試験に取り組んできた熊谷組の田辺大次郎さん(52)=プロジェクトエンジニアリング室事業部長=は昨年12月から2月下旬まで特別な思いで大熊町内の試験プラントに立っていた。震災が起きた日と同じ3月11日生まれ。「国の惨事に"技術屋"として何かしたいという思いは人一倍ある」
 田辺さんは常時10数人が働く試験プラントの責任者を務めた。日曜日や東京で作業がある日を除き、いわき市内のホテルを拠点に警戒区域のゲートをくぐり続けた。比較的温暖な浜通りとはいえ厳しい寒さが続いた今冬は、試験プラント内の水がしばしば凍結した。「朝、プラントに着くと厚いステーキのような氷が張っている。ひどい時は配管をばらして凍った水をお湯で溶かした」。寒さに加え、放射線の影響を防ぐ特殊なスーツが動きを妨げた。

 ただ、困難な環境下での作業でも自信はあった。同社は従来から重金属で汚染された土を洗浄する技術を確立しており、これを応用すれば、セシウムで汚染された土を減容化できると考えた。大熊町が試験プラントの設置場所の選定やサンプリング調査などに積極的に協力してくれたおかげで、試験は順調に進んだ。「町の協力がなければできなかった。ある条件下では試験はうまくいっている。技術が土地をきれいにできれば」。試行錯誤を重ねた技術が本県復興に役立つことを願っている。

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