東日本大震災

「放射線・放射性物質Q&A」アーカイブ

  • Check

放射線 放射性物質 Q&A 原発事故の精神的影響は

 昭和61年に起きたチェルノブイリ原発事故の後で、周辺地域の住民の間で精神的影響が見られたと聞きました。当時はどのような状況だったのか教えてください。また、県内でも起きる可能性がありますか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻)高村昇さん

■過度の心配で健康度低下気になるなら受診や相談

 広島・長崎の原爆被爆者で、特に爆心地に近い所で被爆した人や家族が亡くなった方、原爆による急性症状が起こった方に、精神的に不安定になる傾向が見られたことが知られています。
 一方、チェルノブイリ事故から20年後の平成18年、世界保健機関(WHO)はチェルノブイリ周辺地域の住民について、精神的影響が最大の健康問題であるとの見方を示しました。はっきりとした精神的症状を引き起こす、というわけではなく、むしろ長期間の避難・移住生活や経済的不安、健康不安などがもたらす孤立感・不安感、感覚・感情のバランスの欠如として現れるとされます。
 ただ、事故後、旧ソ連の崩壊やそれに伴う経済的な危機など住民生活に直接影響を及ぼすような事態が発生しました。このため、チェルノブイリ事故の要因のみを抜き出して精神的影響を評価するのは困難です。最近の調査では、事故後に生まれた世代は放射性ヨウ素による内部被ばくを受けていないにも関わらず、放射線影響を過度に心配する人では精神的健康度が低いことが示されています。
 放射線は目に見えない、音が聞こえない、といったことから「正しく怖がる」ことが難しいのも事実です。放射線の線量を測定したり、食物中の放射性物質濃度の情報を集めたりと放射線への理解を深めることも大切。しかし、どうしてもストレスを感じる人は無理をせず、一度、医療機関に相談してみるのもよいでしょう。

回答者
 県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻)高村昇さん

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

「放射線・放射性物質Q&A」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧