東日本大震災

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会津、県南が県提案受け入れ 原発事故の精神的損害

 東京電力福島第一原発事故に伴う避難区域外の住民の精神的損害への賠償で、県南・会津地方の各市町村は、県南の妊婦と18歳以下を20万円とした東電の賠償に県が給付金を上積みして支給する県の案を受け入れた。29日、福島市の福島グリーンパレスで開かれた県白河地方・会津地方原子力損害賠償対策本部会議で申し合わせた。給付金の支払いを踏まえ「受け入れはやむを得ない」との意見でまとまった。今後の賠償請求に向け本部会議の枠組みは維持する。県議会の議決を経て早ければ夏ごろに給付される見通し。
 東電の賠償をめぐっては、県北・県中などで賠償金の支払いが先行する中、県南、会津地方の住民から早い対応を求める声が出ていた。さらに、県の給付金を受ければ県北・県中などの住民らとの格差是正につながることから、対策本部構成市町村は交渉の長期化は避けるべきと判断したとみられる。
 ただ、各市町村は、あくまで県北・県中など23市町村と同額の賠償を求める方針。このため、対策本部の枠組みは残し、県と連携しながら引き続き交渉していく。
 県の給付金の支払い対象は、原発事故発生時に県南地方9市町村と会津地方17市町村に居住していた住民約45万人で、このうち妊婦・18歳以下は8万人。総額は約300億円に上る。
 給付金の額は約404億円の基金額と人口を基に算定した。
 県は各市町村に給付事業を実施してもらう考え。経費も含めた補正予算案を6月定例県議会か臨時議会に計上する。できる限り早い時期に給付する方針だが、県は「準備に少なくとも2カ月はかかる」とみている。
 対策本部会議には矢祭町を除く県南・会津地方25市町村の首長、議長の他、県から佐藤雄平知事らが出席した。本部長の鈴木和夫白河市長は、県の給付金を評価する一方、東電の賠償については「あくまで中間としての受け入れだ」と、賠償交渉を継続していく姿勢を強調した。
 佐藤知事は、東電が県原子力被害応急対策基金に寄付するとした30億円を受け入れる考えを明らかにした。
 県南・会津両地方の26市町村はこれまで、避難区域外の住民の精神的被害の賠償を県北・県中など23市町村以外にも拡大するよう国や東電に求めてきた。
 しかし、国、東電とも文科省の原子力損害賠償紛争審査会が示した中間指針を超える賠償は困難との姿勢を崩さなかった。東電は今月22日、独自に県南地方9市町村の妊婦・18歳以下に20万円を支払う方針を打ち出していた。

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