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放射線 放射性物質 Q&A 食品の放射性セシウム新基準に戸惑い

 今月から食品に含まれる放射性セシウムの基準値が変わったと聞きました。東京電力福島第一原発事故の発生以降、定められた基準値を信じて食品を購入してきました。突然、変わってしまい、戸惑っています。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん

■事故の経過に合わせ変化 平常に近づく段階の1つ

 食品に含まれる放射性セシウムの新基準値が1日から適用され、従来の暫定基準値と比べ、かなり厳しくなって驚いたり、ある日を境に変更されることに疑問を持つ方もいたと思います。

 放射線から身を守る「放射線防護」の基準をつくっている国際放射線防護委員会(ICRP)は、平常時の一般公衆被ばく線量の上限を年間1ミリシーベルトとしています。その一方でICRPは、今回のような放射線災害が発生した場合、緊急時(事故が収束するまでの期間)は年間20~100ミリシーベルトの中で、できるだけ低い放射線量に抑えるよう勧告しています。その後、事故が収束した時点で年間1~20ミリシーベルトの範囲で徐々に放射線量を低減させていき、最終的には年間1ミリシーベルトに戻すよう、定めています。

 これは、1度に100ミリシーベルト以上の放射線を被ばくすると、がんのリスクが上昇することを踏まえ、放射線量の基準を事故の経過に合わせて変化させているのです。

 今回の食品の新しい基準値の設定や運用も、この考え方に準じており、平常時の年間被ばく線量限度である年間1ミリシーベルトに近づけるステップの1つであると考えられます。

 暫定基準値もそうでしたが、新しい基準値も、その食品を1年間食べ続けた場合の内部被ばく線量を基に算定された値ですので、1回や、あるいは1週間程度続けて食べたからといって、健康に影響を与えるレベルの内部被ばくをすることはありません。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

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