東日本大震災アーカイブ

郡山市初の「放射線と健康講演会」 市アドバイザーが解説 過度な心配ご無用

 郡山市の第一回「放射線と健康に関する講演会」は13日、市内のニコニコこども館で開かれた。安積疏水などの開拓に貢献した大久保利通公のひ孫で、郡山市原子力災害対策アドバイザーを務める大久保利晃放射線影響研究所理事長が講師で、放射線の原理と健康への影響について解説した。

 東日本大震災や東京電力福島第一原発事故から1年が過ぎ、線量計や放射性物質検出器の普及などが進んでいる。身近な地域の放射線量が判明する中、放射線や健康への影響について一層理解を深めてほしいと企画した。初回には市民ら約120人が参加し、佐々木修平市こども支援課長があいさつした。

 大久保理事長は、原爆の放射線との違いに触れ、今回の事故は核分裂の連鎖でなく放射性物質の崩壊によるもので、最も危険とされる中性子はないと説明した。

 また、自然に体内から排出されることによる生物学的半減期を考慮する必要があると言及。半減期が30年の放射性セシウム137を体内に取り込んでも、一般的には90日で50%、6カ月で25%、1年で12・5%にまで減少すると述べた。

 100ミリシーベルト未満の被ばく量では、がんが発生するリスクが増えるかどうかは科学的に立証されてないことを示した。仮に100ミリシーベルトを浴びた場合でも、生涯にわたり増えるがんによる死亡率は統計的に1%であるとした。

 食品についての質問があり「市場に流通している食品は厳しいチェックがされている。過度に心配する必要はない」などと応えた。

■ あす第2回講演 20、23日にも

 第2回は16日午後1時半、第3回は20日午後3時、第4回は23日午後1時半から開かれる。

 第3回も大久保理事長で定員は120人。第2、4回は、市震災後心のケアプロジェクトマネジャーの菊池信太郎菊池医院副院長が講師で、定員は各30人。いずれも当日の先着順。問い合わせは市こども支援課 電話024(924)2525へ。

カテゴリー:福島第一原発事故