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今を生きる 共に楽しみ心はつらつ カラオケは入所者への妙薬

入所者とデュエットする池田さん(右)

■飯舘村特養専属医師 池田正昭さん65
 福島市飯坂町の池田医院長池田正昭さん(65)は、全村避難の飯舘村で運営が認められている村特別養護老人ホーム「いいたてホーム」を毎週木曜日に訪れ、健康チェックと自慢のカラオケで93人の入所者を支えている。19日も診察後に入所者と「二輪草」をデュエットした。
 ホームの医療を担ってきた村唯一の医療機関「いいたてクリニック」は、全村避難で診療を休止した。「放射線量の低い室内で過ごすお年寄りは、避難しない方がリスクが低い」と、菅野典雄村長が国に要望し、基準を満たした企業と一緒に運営が認められた。
 いいたてクリニックで診療経験があった池田さんは、三瓶政美施設長の依頼を受け、週1回の診療を引き受けた。専属医師として、深夜でも福島市から駆け付け、献身的な対応を行っている。
 趣味のカラオケで各地の大会で優勝している池田さんは、リハビリの一環として、ホーム内の立派なカラオケセットに目を付けた。診察の後は、リクエストに応え自慢ののどで入所者を楽しませるとともに、デュエットも。職員の飛び入りもある。入所者はタンバリン、マラカスを鳴らして応援する楽しいひとときができた。
 仕事の診察は1時間半、サービスのカラオケタイムは2時間も続く。毎週木曜の午後を楽しみにしている利用者の顔は生き生きとしてきた。「患者が友達みたいになった。また来てねと言われると、うれしい」と池田さんは話す。
 入所者の最高齢は99歳で、平均年齢は84歳を超す。三瓶施設長は「話すことがなかった人が声を出すようになった。認知症を予防するいいリハビリになっている」と"カラオケ先生"に感謝している。

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