東日本大震災

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SPEEDIメール消去 「命軽視」と怒り 浪江町長声荒げ

 命をなんだと思っているのか-。「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」のメール消去問題で、県のずさんな対応が明らかになった20日、避難生活を送る浪江町民らに怒りが広がった。町民の多くは、放射性物質の拡散予測を知らされないまま、線量が高い同町津島地区などにとどまった。「知っていれば無用な被ばくは避けられたはず」。町も住民も県の対応を厳しく批判した。

 「浪江町民や県民の疑念を増幅させ、申し訳ありません」。20日午後に二本松市の浪江町役場事務所を訪れた荒竹宏之県生活環境部長は小山吉弘原子力安全対策課長と共に頭を下げた。

 東京電力福島第一原発事故後、県に送られたSPEEDIの試算結果のデータを消去した経過を淡々と説明する荒竹部長。資料に目を通していた馬場有町長が顔を上げ声を荒らげた。

 「ずさんで、危機管理があいまい。われわれの命をどう思っているのか」

 やりとりは1時間以上にわたった。非常事態とはいえ、原発の安全対策や指揮系統の確保に、国、県ともに十分な態勢を取っていなかったことに憤りを隠さない。「国は情報を送っただけで、その後の確認をしなかったのか」と怒りの矛先は国にも向く。

 「線量が高い地域に避難した町民は将来に不安を抱えている」と訴える馬場町長らに対し、荒竹部長は「しっかりした健康管理に努める」と約束するしかなかった。

 浪江町は、試算結果が活用されなかったことで、町民が「無用の被ばく」をした可能性があるとして国と県の法的な責任を問う刑事告発を検討している。町を支援する大学の法律の専門家に県の調査結果などを示し、検証してもらうという。

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