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富岡の「市」活気もう一度 町民が長い列、充実 大玉の仮設で店長

富岡町民待望の仮設店舗で接客する渡辺店長(右)

■須賀川の借り上げ住宅に避難 渡辺吏さん(52)
 「いらっしゃいませ。いらっしゃいませ」。店長の渡辺吏(つかさ)さん(52)の声が弾む。
 東京電力福島第一原発事故で富岡町民が避難している大玉村の安達太良仮設住宅に26日、仮設店舗「富岡えびすこ市場」が開店した。待ちわびた町民が長い列をつくる。渡辺さんはレジ打ちに追われながら「また商売ができて、最高の気分」と充実感いっぱいの笑顔を見せた。
 渡辺さんは東日本大震災の発生前まで、富岡町で食料品など販売の「誠屋(まことや)」の店主だった。親から受け継いだ店を、妻美津子さん(51)、姉起美子さん(56)と3人で切り盛りしていた。津波で店は損壊し、原発事故で避難を余儀なくされた。
 「えびすこ市場」は、富岡町で毎年11月に開かれていた「えびす講市」にちなんで名付けられた。富岡町商工会、富岡町商店街協同組合、町の商店でつくる「富岡さくらの郷」が運営する。
 約70平方メートルの売り場で主に食料品、日用雑貨を扱う。日曜日を除く毎日、午前8時半から午後6時半まで営業する。被災者の交流の場にと、テーブルと椅子を用意し気軽に休める場所を設けた。
 商店主の経験を買われ店長を任された渡辺さんは毎朝早く、須賀川市の借り上げ住宅を出発、店に通う。「仲間のため、活気があふれていたえびす講市のように、にぎわう店にする」と誓っている。
 同日、現地で開店記念式典が行われた。遠藤勝也町長が「町民の利便性が向上し、絆が強まることを願う」とあいさつ、遠藤町長、浅和定次大玉村長らがテープカットした。

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