東日本大震災アーカイブ

放射線リスク冷静に判断を 福島で除染フォーラム 事例も紹介

放射線による健康影響や除染について学ぶ出席者

 「除染の推進に向けた地域対話フォーラム~子どもたちを放射能から守るために~」は13日、福島市のコラッセふくしまで開かれた。日本原子力学会などの担当者が、放射線の健康への影響や除染の取り組み事例などを紹介し、来場した約200人に理解を求めた。
 県、環境省、福島市、日本原子力学会の主催。放射線医学総合研究所(放医研)規制科学研究プログラムリーダーの米原英典さんは、高放射線地域のインドのケララ地方での疫学調査を例に「生涯に受ける積算放射線量が600ミリシーベルト以下の線量域で、がんのリスクについて目立った増加は認められない」と指摘。生涯100ミリシーベルト以下の放射線リスクについて、「国内最大の放射線疫学調査地である広島や長崎でも顕著な増加は認められない」とした。その上で「情報を冷静に分析し判断する目が大切」と訴えた。
 間組技術・環境本部の雨宮清原子力部長は県内での除染の実例を紹介。日本原子力技術協会の吉原恒一調査役は、仮置き場の安全管理について「仮置き場を適切に設置・運営すれば、除染作業が円滑に進み、地域全体の放射線被ばくを早期に低減させる効果がある」と述べた。
 対話集会を開き、放射線の健康影響と除染推進について講師に質問した。