福島医大は、東京電力福島第一原発事故を受けて連携協定を締結している広島、長崎両大との間で、研修医の相互受け入れなど、初期研修プログラムで協力態勢を整える方向で検討に入る。14日、福島市の福島医大で開いた3大学の学長会議で合意した。早ければ年度内にも部分的に実施したい考えだ。
医師は医師免許取得後の2年間、医療現場での初期臨床研修が義務付けられている。広島、長崎両大の研修医が福島医大を通じ、福島県内の被災地などで東日本大震災や東京電力福島第一原発事故後の対応などを学んだり、福島医大の研修医が原爆の被爆医療研究の実績のある広島、長崎両大で放射線医療に関する理解を深めたりすることが想定される。共通のカリキュラムを組んで3大学合同で研修医を受け入れることなども検討する。
研修医は人材不足の県内被災地のマンパワーとして期待できる。福島医大の研修プログラムの魅力が向上し、研修医確保にもつながるとみられる。
福島医大の菊地臣一理事長兼学長は「若い医師には県内での研修が役立つはず」、広島大の浅原利正学長は「被災地支援を経験することは重要」、長崎大の片峰茂学長は「地域医療プログラムに組み入れたい」とそれぞれ前向きな考えを示した。
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