東日本大震災アーカイブ

相馬野馬追の会場除染終了 出場者が馬の乗り込みスタート

土を入れ替えたコースで調教する相馬野馬追関係者=雲雀ケ原

 相馬野馬追の甲冑(かっちゅう)競馬、宵乗り競馬が行われる南相馬市原町区の雲雀ケ原祭場地馬場の除染が終わり、3日から出場者の練馬が始まった。
 市が1周約1000メートルの走路の表土を取り除き、新しい砂を入れた。出場者が日の出とともに馬運車で馬を運び込み、広い馬場で乗り込みを行った。
 JRA競走馬総合研究所常磐支所勤務で約40回出場している伏見克夫さん(60)=同市原町区=は、自宅に約24アールの馬場を持っているが、広い馬場での乗り込みが欠かせないと初日から訪れた。じっくりと愛馬に乗って汗を流し「以前よりぐんと走りやすい馬場になった」と話した。
 同市鹿島区の烏崎海岸は津波で砂浜が消滅して練馬ができないため、祭場地の馬場は例年より利用が増えそうだ。
 相馬野馬追は昨年、原発事故のため縮小して行われ、宇多郷、北郷の80騎のみ出陣となった。今年は例年通りの開催を目指して3社5郷、執行委員会が協議を進めている。中島三喜中ノ郷騎馬会長は「例年通りの開催ができる状況になっている。立派に執行できるよう祈念している」と話している。